漫画家・冬乃郁也さんとアニメ評論家・藤津亮太さんのワークショップ『漫画のネームを描いてみよう!』をオンライン受講しました。
「コマを割って漫画を描きたい」と思ったことはないのですが、描き方を教わって自分で描いてみたら、漫画の読解力が上がるかな?と思って参加してみました。
<授業の流れ>
全2回で第1回(10月23日)は講義。漫画の見せ方の原則や、脚本を元にネームを描く場合のノウハウなどを教わる。
最後に宿題が出るので、用意された脚本を元にネームを締切までに描いて提出する。脚本のラストは空欄になっており、オチは自分で考える。
第2回(11月27日)は講評。全員分の提出作品を画面で順番に見ながら、添削指導を聞く。
<印象に残ったところ>
第1回:普段「なんとなく」で漫画を読んでいるので、コマとコマの間の幅で時間経過を表現するとか、主人公はなるべく早く出すとか、めくって次のページの最初に決めゴマを置くとか、教わって初めて「確かに、普段読んでる漫画ってそうなってた!」と気付かされた。
あと、漫画家が脚本を読んでネームを生み出す工程は、読者からは見えない部分なので、そこで何が行われているのかの話も面白かった。
第2回:講評に入る前に、宿題用の脚本を元にプロ漫画家3人が描いた場合のネームが例として示された。それを見ると、おおよそ共通した見せ方に着地している。漫画には効果的な見せ方の方法論があるので、ジャンルや出自の異なる人が描いても、そういう結果になる、という話が面白かった。
あと、受講生の宿題の添削後のものを見ると、直す前よりも格段に面白くなっていて、「プロが少し手を入れるだけでこんなに変わるのか!」とびっくりした。
<提出したネーム>
<講評>
1ページ目でキャラと状況の説明をしたり、最初の方で主人公を大きく見せたり、ページをめくって右上に決めゴマが来るなど、ポイントは一通り押さえられているので、このままで良しとのことでした。
脚本の空欄をどう埋めるかをいろいろ考えた結果、途中から脚本に無いオリジナル展開に突入させていったので、描いてて怒られるんじゃないかと心配でしたが、大丈夫でした。
<描いてみた感想>
教わった漫画の原則に従うと、全体のページの中で脚本上の見せ場を置く場所は自ずと決まる。なので、それ以外をどう並べていくかを考えるのが、パズルのような感じで面白かった。
ただ、思いつくままに描くと、普段読んでいる漫画のような読みやすいコマ割りにならない。だから、いろんな漫画をじっくりと観察してみた。その過程で演出上の工夫にいろいろと気づけたので、受講の目的だった漫画の読解力向上には役立ったと思う。
受講前に漫画を読む時は、ほとんど絵とセリフしか見ていなかったけど、実際に自分で描いてみることで、作家ごとのコマ割りの個性なども意識してマンガを見れるようになったので、受講してみて良かったなと思いました。