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『エゴン・シーレ展』感想

上野の東京都美術館エゴン・シーレ展』を観に行った。

僕的にはあまり馴染みのない画家なのだが、名前だけはアニメの画の話題にときどき現れるので、意識していた。最近だと、Newtype2023年2月号でアニメーターのなかむらたかしさんが話題にしていた。なので「折角の機会だし、実物を見てみるかな」と足を運んだ。

 

展示内容は、シーレの人物画と風景画。それに加えて、彼の近くに居て影響を与えたクリムトや、同時期に活躍した画家たちの作品も展覧。シーレが生きた時代の芸術界の空気が感じられるような展示だった。国は違うが、生まれた年がラブクラフトと同じだったので「あの辺りの時代か~」と思ったが、シーレは28歳の若さで亡くなったと知り驚いた。

展示されたシーレの作品をざっくり分けると、背景の隅々まで厚く塗られた暗い画と、あっさりした塗りの明るい画があり、僕は前者の方に惹かれた。『自分を見つめる人II(死と男)』『啓示』が特に気に入った。全体的に、濁った色、綺麗でない肌色、角ばった手、マンガのように細いアゴなど、見た目的にはリアルではないのだけど、表面をなぞるだけではない観察力で、人の内面に迫っているような迫力を感じた。あと、作品名は忘れたけど、クリムトが描いた女性のリアルな肖像画も目が釘付けになるような存在感があって良かった。

 

気に入った作品については、最後に売店でポストカードを買うつもりだった。そのつもりだったが、あまりにも実物の画と印象が違う。画を観た時の記憶がポストカードのチープなルックで上書きされるのが怖くて、買う気がなくなってしまった。やはりアナログの画の真価は、印刷には出ないのだなと思った。そういう意味では、クリムトの作品は画集で観ても迫力を感じるから、実物はさぞ良いものなのだろう。クリムトの絵画の実物も機会があればもっと観たいなと思った。

(2023年2月28日@東京都美術館