(開発元: Cavalier Game Studios(イギリス)、Tequila Works(スペイン) )
(★★★★☆/日本語版、コントローラー対応、クリアまで約7時間)
【あらすじ】
英国のカジノ館「セクシー・ブルテイル」で起きた連続殺人事件。仮面舞踏会に招かれた客たちが、使用人の手で次々と惨殺されていく。現実から切り離された館内は、なぜか時間がループし、脱出不可能な状態。惨劇の12時間が何度も繰り返される中、目撃者となった牧師ラフカディオ・ブーンは、館の床から怪物のように出現した血まみれの少女に導かれ、事件の解決を試みる。
【感想】
昔プレイした『エルダースクロールズⅣ オブリビオン』で、ピッキングして貴族の館に侵入したら、平和な外観からは想像できない異様な気配がどんどん濃くなっていき、ついには最深部に吸血鬼が隠れ住む痕跡を見つけた事がある。どんな宝に出会った時よりも興奮した。館の暗い秘密を暴くシチュエーションは、どうしてこんなに心躍るのだろうか。
さて、『セクシー・ブルテイル』も館の秘密を暴くゲームである。本作には招待客(クセのある怪人物たち)の命を救うたびに、彼らから特殊な能力を授かるシステムがある。今まで聞こえなかった小さな物音を聞き取れるようになったり、幽霊の姿を認識できるようになったり。その力を駆使して、誰にも見つからないように、館の秘密のヴェールを少しずつ剥いでいく体験に夢中にさせられた。
また、ミステリの超常的な殺人は、探偵によって科学的に解明される印象があるが、本作は異常な状況から始まりながら、調査が進むに連れてオカルトの霧が晴れるどころか、逆に濃くなっていく点にも惹かれた。奇妙に設計されたこの館には、まだ見ていない部屋を見たい、全貌を知りたいと思わせる魔性の魅力があった。